【建物明け渡し(立ち退き)解決事例】親族間の使用貸借にて、明渡を拒否する同居者が弁護士介入後1か月で退去した事例

【物件】首都圏郊外の一戸建
【借主】物件所有者の親族
【特徴】借主(親族)と同居する息子が明渡を拒否
【解決内容】任意退去
【解決までの期間】受任から1か月程度

1.事案の概要

(1) 親族間の使用貸借

 物件は、所有者が高齢の親族に使用貸借していました。借主(高齢の親族)は息子と同居していました。

(2) 同居する息子による明渡拒否と弁護士への依頼

 借主は退去しましたが同居する息子が明渡を拒否し、その後連絡がとれなくなりました。
 そこで、オーナー様より相談を受け、同居する息子への明渡請求を依頼しました。

2.明渡に至るまでのやりとり

(1) 訴訟提起を前提とする内容証明郵便送付と弁護士介入

 オーナー様に代わり、所有権に基づく返還請求権を根拠として、同居する息子へ明渡を求める内容証明郵便を送付しました。内容証明郵便は、期限までに明け渡しをしなければ明渡請求訴訟を提起するという内容です。
 内容証明郵便が相手方に到達後も連絡が無いことから、訴訟提起を準備していましたが、そのタイミングで相手方にも弁護士が就任しました。

(2) 弁護士同士での明渡交渉

 当事者双方、弁護士同士で明渡交渉を行った結果、1か月後をめどに明け渡しをするという内容で合意が成立しました。

(3) 早期の任意退去

 合意書締結後、2週間程度で(受任から1か月程度後)に合意に基づく明渡が実現しました。

3.弁護士コメント(早期の明渡が実現した理由)

(1) 弁護士名での内容証明郵便により訴訟提起を予告したこと

 本件では、内容証明郵便送付段階から、期限までに明渡がなされなければ訴訟提起する旨予告していました。そのためもあってか、早期に相手方にも弁護士が介入しました。

(2) 明渡請求の相手方に弁護士が就任したこと

 明渡請求の相手方に弁護士が就任したことも大きいと思われます。これにより早期解決が実現されました。
 親族間の使用貸借においては、賃料滞納による明渡請求と比較して代理人弁護士が就任することが多い印象です。

(3) 親族間の使用貸借であったこと

 本件は親族間の使用貸借であり、紛争の長期化を避けたという側面もあるように思います。
 但し、本件は早期解決に至りましたが、親族間紛争であるがゆえに紛争が長期化することもあるので注意が必要です。

記事カテゴリ: 解決事例
投稿日時: (約2年1ヶ月前)

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よくあるご質問

見積もりを取ることは可能でしょうか?

ご相談いただければ可能です。

ご相談内容を踏まえてお見積りさせていただきます。
見積もりは無料となっております。事案によって請求額は異なりますので、まずはご相談ください。

退去してもらうまで、どの程度の時間がかかるものでしょうか?

当事務所での解決までの平均期間は、4か月程度です。但し、弁護士が受任したことで、1カ月程度の早期解決に至ることもあります。

家賃滞納による明渡請求は、家賃滞納自体に争いが無い場合には、強制執行手続による退去完了まで、以下の経過をたどります。

  1. 内容証明郵便による契約解除通知送付(受任から3日~1週間程度)
  2. 訴訟提起(内容証明郵便送付日の翌日~2週間程度)
  3. 第1回期日(訴訟提起日から1ケ月~1ケ月半程度)
  4. 判決期日(第1回期日から1週間~2週間程度)
  5. 強制執行申立(判決期日から2週間~1ケ月程度)
  6. 断行手続(強制執行申立から1ケ月~1ケ月半程度)
  7. 退去完了

強制執行手続のうち、断行手続(裁判所の手続により、荷物を搬出・鍵の交換等を行う等の方法で強制的に明け渡しを実現する手続)によって退去が完了する場合、受任から終了まで概ね4ケ月~5ケ月程度の期間が必要となります。

但し、賃借人が行方不明の場合などを除き、強制執行の断行手続に至るケースは多くありません。訴訟提起後、強制執行手続に至るまでに退去するケースの方が圧倒的に多いというのが実情です。
弁護士が家主様の代理人に就任したことにより、1カ月程度で退去に至るケースもあります。
これらの早期解決案件を含めた弊事務所での平均解決期間は、受任から概ね4ケ月程度です。

【2022年10月11日更新】

司法書士に頼むのとどう違うのですか?

建物明渡請求訴訟について、司法書士は原則として代理人になれません。

弁護士と司法書士の違いは、端的にはその権限に違いがあります。

弁護士は、すべての訴訟事件について代理人として活動することができます。
他方で、司法書士は、訴訟事件について原則として代理人となる権限がありません。
認定を受ければ訴額140万円以下の事件について代理人として活動することはできます。しかし、その場合でも、簡易裁判所の事件での代理権しかなく、地方裁判所での代理権限はありません。
不動産明渡請求訴訟は地方裁判所が管轄です。司法書士は地方裁判所における代理権がありませんし、強制執行手続きについては、司法書士は代理人にはなれません。
不動産明渡請求については、司法書士が大家様や管理会社様に代わって借主と交渉することもできません。

借り主がどこに行ったか不明で連絡も取れないのですが、それでもお願い出来ますか?

可能です。法的手続きを進めるうえで大きな問題はありません。

借り主が所在不明で連絡も取れないということは、もはや話し合いでは解決できません。法的手続きを執るしか無い場合がほとんどだと思われます。
そのような場合に適した法的手続きを進めることで、ほとんどの場合、強制的に退去させることが出来ます。
但し、連絡も取れない場合には、家賃の回収については困難な場合がほとんどです。

手続き中、借主が直接自分の所に来て話したいと言ってきた場合にはどうしたらよい?

毅然と拒否し、弁護士と話すよう伝えて下さい。

弁護士が受任した場合は、全て弁護士を通していただく必要があります。大家さんご本人が直接話すとどうしても甘いことを言ってしまったりして、それを逆手に取られ、状況がこじれることがあるからです。
我々が借主様からお話を伺った場合には、通常依頼人たる大家様にご報告申し上げ、それで対応を協議するという形になります。
ご依頼頂いている以上、「弁護士を通してほしい」と言って頂いて構いませんので、まず直接の話し合いは避け、弁護士と話すように伝えてください。

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