親戚に善意で無償で貸した家を返してほしいと言ったが、「使用貸借だから借りる権利がある」と言って返してもらえません。弁護士さんに相談しても明渡請求は難しいのではないかと言われました。何とか返してもらうことはできないのでしょうか。

A.明渡請求ができる場合があります。


【解説】
1.まず、使用貸借の期間が定められている場合には、期限が到来すれば明渡を請求することができます(民法597条1項)。

2.また、使用貸借の期間を定めなかった場合において、使用及び収益の目的を定めたときは、借主がその目的に従い、使用及び収益を終えることにより明渡を請求することができます(民法597条2項)。
 また、使用及び収益が終わらなくても、使用及び収益をするのに足りる期間を経過したときは、貸主は契約を解除して不動産の明渡しを請求することができます(民法598条1項)。たとえば、「次の引っ越し先が決まるまで」といった約束でも、引っ越し先を確保するに十分な期間が経過した後は、契約を解除して明け渡しを求めることができます。例えば、建物について使用貸借契約が締結された場合において、「転居先が見つかるまで」という合意が成立していた契約につき、貸してから5年後に退去を求めた時点で相当な期間が経過していると判断した裁判例もあります。

3.契約により定められた使用及び収益を行うに足りる期間を経過していないと認められる場合(例えば、居住目的と定められている場合)でも、事情によっては、使用貸借契約を解除し明渡を求めることができることがあります。
 例えば、親族間のよしみで貸していたのにも関わらず、その前提となる親族関係が破綻し無償使用させる理由がなくなったとして、改正前民法597条2項(現在の民法598条1項)の類推適用により契約を解除することができると判断した判例もあります。
 したがって、事情によっては、使用貸借契約を解除し明渡を請求できることもありますので、親族間の使用貸借にお悩みの方はぜひ弁護士にご相談ください。

記事カテゴリ: 良くあるご質問
投稿日時: (約3ヶ月前)
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