【違法民泊】について

違法民泊とは、旅館業法の許可を取らずに物件を民泊に供していることをいいます。
AirBnBの大部分は違法民泊とも言われております。
最近は、都市部のマンションの一室で違法民泊が行われる場合が多いようです。
違法民泊を発見した場合、または違法民泊が疑われている場合、どのような問題があるのでしょうか。また、管理会社としてどのように対処すべきでしょうか?

1.原則として賃貸借契約の解除事由となります
違法民泊が行われていることは、賃貸借契約の解除事由になることが多いと思われます 。また、賃貸人としては、賃借人に対し、違法民泊を直ちに中止するよう求めることができます 。
賃貸人は、宿泊している外国人を発見した場合には、退去を求めることも法的には可能です。外国人が騒ぐなどして近隣に迷惑をかけていたりする場合には、宿泊している外国人に対し、退去を求めることも法的には可能です 。しかし、強制的に荷物を撤去したり、鍵を取りかえることはできません。また、強制的に身柄を拘束して警察に引き渡すなどという行為も許されません。あくまで、任意に退去するよう求める権利を有するだけです。しかし、任意退去を実現することは極めて困難です。

2.違法民泊である旨の証拠を確保することが重要です
賃貸人としては、賃借人に対して違法民泊を中止するよう求めていく必要があります。
しかしながら、賃借人からその事実を否認されることもあります。そのような場合に備え、違法民泊が行われた事実について証拠を確保する必要があります。具体的には、AirBnBで物件が供されていたことを裏付ける資料(ホームページの記載など)や、出入りしている人の映像や録音を記録として残しておく必要があります。なお、管理会社や物件のオーナーが、物件に出入りしている人の映像を撮影することは、合理的な必要性がある限りは許されると考えられます。

3.賃借人への警告を行う必要があります
中止を求めるとともに、契約を解除する旨通知する。
使用継続を求めた場合には、民泊に利用しない旨の誓約書を一筆書かせたうえで使用継続させるなどの対応をとるべきでしょう。このとき、利用をした場合には即時解除されても異議がない旨記載すると良いと思われます。

4.改善がなければ訴訟提起に入ります
警告を行っても改善が見られない場合には、明渡を求める訴訟を提起する必要があります。訴訟提起前に、「占有移転禁止の仮処分」を申し立てる必要があります。
「占有移転禁止の仮処分」を経由していないと、強制執行手続きにおいて不利に働く可能性があります。違法民泊に関する訴訟においては必須と言ってもよいでしょう。

5.まとめ
以上のように、違法民泊に対する対応は往々にして困難を極めます。
事前に予防する場合したいオーナー様、管理会社様には、顧問契約をお勧めします。
また、違法民泊が発覚した場合には、弁護士を介入させたうえでの対応をお勧めします。

記事カテゴリ: コラム
投稿日時: (約5年7ヶ月前)

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よくあるご質問

見積もりを取ることは可能でしょうか?

ご相談いただければ可能です。

ご相談内容を踏まえてお見積りさせていただきます。
見積もりは無料となっております。事案によって請求額は異なりますので、まずはご相談ください。

退去してもらうまで、どの程度の時間がかかるものでしょうか?

当事務所での解決までの平均期間は、4か月程度です。但し、弁護士が受任したことで、1カ月程度の早期解決に至ることもあります。

家賃滞納による明渡請求は、家賃滞納自体に争いが無い場合には、強制執行手続による退去完了まで、以下の経過をたどります。

  1. 内容証明郵便による契約解除通知送付(受任から3日~1週間程度)
  2. 訴訟提起(内容証明郵便送付日の翌日~2週間程度)
  3. 第1回期日(訴訟提起日から1ケ月~1ケ月半程度)
  4. 判決期日(第1回期日から1週間~2週間程度)
  5. 強制執行申立(判決期日から2週間~1ケ月程度)
  6. 断行手続(強制執行申立から1ケ月~1ケ月半程度)
  7. 退去完了

強制執行手続のうち、断行手続(裁判所の手続により、荷物を搬出・鍵の交換等を行う等の方法で強制的に明け渡しを実現する手続)によって退去が完了する場合、受任から終了まで概ね4ケ月~5ケ月程度の期間が必要となります。

但し、賃借人が行方不明の場合などを除き、強制執行の断行手続に至るケースは多くありません。訴訟提起後、強制執行手続に至るまでに退去するケースの方が圧倒的に多いというのが実情です。
弁護士が家主様の代理人に就任したことにより、1カ月程度で退去に至るケースもあります。
これらの早期解決案件を含めた弊事務所での平均解決期間は、受任から概ね4ケ月程度です。

【2022年10月11日更新】

司法書士に頼むのとどう違うのですか?

建物明渡請求訴訟について、司法書士は原則として代理人になれません。

弁護士と司法書士の違いは、端的にはその権限に違いがあります。

弁護士は、すべての訴訟事件について代理人として活動することができます。
他方で、司法書士は、訴訟事件について原則として代理人となる権限がありません。
認定を受ければ訴額140万円以下の事件について代理人として活動することはできます。しかし、その場合でも、簡易裁判所の事件での代理権しかなく、地方裁判所での代理権限はありません。
不動産明渡請求訴訟は地方裁判所が管轄です。司法書士は地方裁判所における代理権がありませんし、強制執行手続きについては、司法書士は代理人にはなれません。
不動産明渡請求については、司法書士が大家様や管理会社様に代わって借主と交渉することもできません。

借り主がどこに行ったか不明で連絡も取れないのですが、それでもお願い出来ますか?

可能です。法的手続きを進めるうえで大きな問題はありません。

借り主が所在不明で連絡も取れないということは、もはや話し合いでは解決できません。法的手続きを執るしか無い場合がほとんどだと思われます。
そのような場合に適した法的手続きを進めることで、ほとんどの場合、強制的に退去させることが出来ます。
但し、連絡も取れない場合には、家賃の回収については困難な場合がほとんどです。

手続き中、借主が直接自分の所に来て話したいと言ってきた場合にはどうしたらよい?

毅然と拒否し、弁護士と話すよう伝えて下さい。

弁護士が受任した場合は、全て弁護士を通していただく必要があります。大家さんご本人が直接話すとどうしても甘いことを言ってしまったりして、それを逆手に取られ、状況がこじれることがあるからです。
我々が借主様からお話を伺った場合には、通常依頼人たる大家様にご報告申し上げ、それで対応を協議するという形になります。
ご依頼頂いている以上、「弁護士を通してほしい」と言って頂いて構いませんので、まず直接の話し合いは避け、弁護士と話すように伝えてください。

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