家賃回収に役立つ!コラム 【3 連帯保証人の重要性】

【3 連帯保証人の重要性】

1 連帯保証人とは

 連帯保証人を法的に定義するとすれば、民法上の保証債務を負う者のうち、「検索の抗弁権」「催告の抗弁権」「分別の利益」が存在しない者を言います。
 賃貸借契約に関して(誤解を恐れずに)定義づけすれば、
 「賃借人と同じ内容の支払義務を負う者」
 ということができます。
 従いまして、どのような方が連帯保証人となるか、という点が賃料回収において極めて重要です。

2 回収における重要性

 賃借人から回収できなくても、連帯保証人から全額回収できる、という場合も多々あります。資力のある連帯保証人を確保することは、当たり前ですが、家賃回収において非常に重要です。
 また、連帯保証人が、滞納を生じさせる賃借人に対して退去を求めてくれることも多々あります。
 連帯保証人が親族の場合ですと、転居場所を確保してくれたりする場合もあります。家賃回収以外の明け渡しの場面でも、連帯保証人は非常に重要な役割を果たします。

3 家賃保証会社の活用

 近年は、家賃保証会社を利用する場合も多いと思われます。
 家賃保証会社を利用すれば、滞納家賃の回収の手間を事実上省くこともできますし、また、大手家賃保証会社になると、速やかに立替払をしてくれたりと、サービスが充実している会社が多いようです。
 資力のある連帯保証人も重要ですが、家賃保証会社についても積極的に活用を検討すべきと考えます。

4 極度額に注意

 2020年4月1日に施行された改正後の民法において、賃貸借契約の連帯保証人が個人の場合、極度額の定めがなければその効力が生じない旨定められました(民法465条の2)。
 したがって、極度額の定めがない場合には、連帯保証契約が無効となっている場合があります。更新の際に改めて極度額を定める必要が生じる場合もありますので、迷った場合には賃貸借問題の経験豊富な弁護士に相談することをお勧めします。

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投稿日時: (約5年6ヶ月前)

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よくあるご質問

見積もりを取ることは可能でしょうか?

ご相談いただければ可能です。

ご相談内容を踏まえてお見積りさせていただきます。
見積もりは無料となっております。事案によって請求額は異なりますので、まずはご相談ください。

退去してもらうまで、どの程度の時間がかかるものでしょうか?

当事務所での解決までの平均期間は、4か月程度です。但し、弁護士が受任したことで、1カ月程度の早期解決に至ることもあります。

家賃滞納による明渡請求は、家賃滞納自体に争いが無い場合には、強制執行手続による退去完了まで、以下の経過をたどります。

  1. 内容証明郵便による契約解除通知送付(受任から3日~1週間程度)
  2. 訴訟提起(内容証明郵便送付日の翌日~2週間程度)
  3. 第1回期日(訴訟提起日から1ケ月~1ケ月半程度)
  4. 判決期日(第1回期日から1週間~2週間程度)
  5. 強制執行申立(判決期日から2週間~1ケ月程度)
  6. 断行手続(強制執行申立から1ケ月~1ケ月半程度)
  7. 退去完了

強制執行手続のうち、断行手続(裁判所の手続により、荷物を搬出・鍵の交換等を行う等の方法で強制的に明け渡しを実現する手続)によって退去が完了する場合、受任から終了まで概ね4ケ月~5ケ月程度の期間が必要となります。

但し、賃借人が行方不明の場合などを除き、強制執行の断行手続に至るケースは多くありません。訴訟提起後、強制執行手続に至るまでに退去するケースの方が圧倒的に多いというのが実情です。
弁護士が家主様の代理人に就任したことにより、1カ月程度で退去に至るケースもあります。
これらの早期解決案件を含めた弊事務所での平均解決期間は、受任から概ね4ケ月程度です。

【2022年10月11日更新】

司法書士に頼むのとどう違うのですか?

建物明渡請求訴訟について、司法書士は原則として代理人になれません。

弁護士と司法書士の違いは、端的にはその権限に違いがあります。

弁護士は、すべての訴訟事件について代理人として活動することができます。
他方で、司法書士は、訴訟事件について原則として代理人となる権限がありません。
認定を受ければ訴額140万円以下の事件について代理人として活動することはできます。しかし、その場合でも、簡易裁判所の事件での代理権しかなく、地方裁判所での代理権限はありません。
不動産明渡請求訴訟は地方裁判所が管轄です。司法書士は地方裁判所における代理権がありませんし、強制執行手続きについては、司法書士は代理人にはなれません。
不動産明渡請求については、司法書士が大家様や管理会社様に代わって借主と交渉することもできません。

借り主がどこに行ったか不明で連絡も取れないのですが、それでもお願い出来ますか?

可能です。法的手続きを進めるうえで大きな問題はありません。

借り主が所在不明で連絡も取れないということは、もはや話し合いでは解決できません。法的手続きを執るしか無い場合がほとんどだと思われます。
そのような場合に適した法的手続きを進めることで、ほとんどの場合、強制的に退去させることが出来ます。
但し、連絡も取れない場合には、家賃の回収については困難な場合がほとんどです。

手続き中、借主が直接自分の所に来て話したいと言ってきた場合にはどうしたらよい?

毅然と拒否し、弁護士と話すよう伝えて下さい。

弁護士が受任した場合は、全て弁護士を通していただく必要があります。大家さんご本人が直接話すとどうしても甘いことを言ってしまったりして、それを逆手に取られ、状況がこじれることがあるからです。
我々が借主様からお話を伺った場合には、通常依頼人たる大家様にご報告申し上げ、それで対応を協議するという形になります。
ご依頼頂いている以上、「弁護士を通してほしい」と言って頂いて構いませんので、まず直接の話し合いは避け、弁護士と話すように伝えてください。

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