【建物賃貸借契約条項解説】9 館内規則・利用規約等

1.館内規則とは

館内規則、利用規約とは、建物の使用方法について細目的な事項を定めたものです。
賃貸借契約書においては、賃借人に対して館内規則・利用規約の遵守を求める規定が定められるのが一般的です。したがって、館内規則に違反した場合、利用規約に違反した場合には、賃貸借契約の債務不履行となり、契約解除事由となる場合もあります。
館内規則や利用規約は、賃貸借契約締結の際に賃借人に交付されることが多いものと思われます。

2.館内規則等の周知

館内規則等の違反を理由として賃貸借契約を解除し、建物の明け渡しを求める場合、賃借人より「館内規則を見たことが無い」旨の主張が展開されることがあります。このような場合に備えて、館内規則等を賃貸借契約の別紙として添付したり、館内規則等の交付を受けた旨を賃貸借契約書に記載し、署名押印をもらうという方法を検討する必要があります。

3.借主が館内規則に違反した場合

  1. 賃借人が館内規則に違反した場合に、直ちに契約の解除が認められるかというと、そうではありません。原則として、賃借人に館内規則の遵守や改善を求め、それでも賃借人が館内規則等の違反を繰り返し、他の賃借人や建物管理上著しい支障が生じるような場合に、はじめて解除が認められます。
  2. 賃借人に対して館内規則の遵守や改善を求める際には、記録が残るような内容証明郵便やインターネットのメールが理想的です。場合によっては、LINE等のSNSを利用することを検討するべきでしょう。
  3. 館内規則等の違反をする賃借人が、同時に家賃を滞納している場合も多々あります。賃料滞納及び館内規則等の不遵守の双方を理由として賃貸借契約を解除することを検討すべきです。

次のページ: 10.遅延損害金

目次:建物賃貸借契約条項解説

  1. 賃貸借の目的物
  2. 契約期間・更新条項
  3. 使用目的
  4. 更新料
  5. 賃料等の支払時期・支払方法
  6. 賃料改定・賃料増減請求
  7. 敷金一般
  8. 敷金返還債務の承継
  9. 館内規則・利用規約等(本ページ)
  10. 遅延損害金
  11. 賃貸人の修繕義務
  12. 契約の解除・信頼関係破壊の法理
  13. 保証金
  14. 賃借人たる地位の移転
  15. 原状変更の原則禁止
  16. 善管注意義務及び損害賠償
  17. 連帯保証人
  18. 反社会的勢力の排除
  19. 当事者双方からの期間内解約条項
投稿日時: (約4年9ヶ月前)
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