【明渡請求訴訟事件の実務】6 弁護士相談の際の留意点(必要資料と解決方法)

(1) 弁護士相談にあたっての必要資料

 弁護士相談にあたってまず必要なものは、「手持ちの客観的な資料」です。
 弁護士は、まずは客観的資料から認められる明らかな事実を把握したうえで、事案の解決方針を組み立てるためです。具体的には以下のような書類になります。

  • 賃貸借契約書
  • 重要事項説明書、(定期建物賃貸借の場合)事前説明書面
  • 間取り図面
  • 駐車場図面
  • 募集時広告
  • 全部事項証明書(不動産登記簿謄本)又は現在の登記情報
  • 固定資産税評価証明書又は固定資産税課税証明書
  • (借主が法人の場合)法人登記簿謄本又は法人登記情報
  • 家賃台帳
  • (交渉があれば)交渉時にやり取りをした書面

 以上のような客観的資料が必要となります。ただし、以上の書類が揃わないといけない、というわけではありません。以上に記した資料の一部のみであっても、弁護士相談は可能です。
 従前の経緯が記載された書面もあると弁護士としては有難いですが、必須ではありません。具体的な経緯などは、弁護士相談の際に確認することになります。
 

(2) 解決方針の確認

 弁護士相談をした際に重要なことは、「どのような解決方針を立てるか」ということです。賃料滞納に基づく明渡請求において、解決方針は、主に以下の内容に従って決定することになります。

  • 家主の意向(賃料の分割払を認めるか、あくまでも退去を求めるか等)
  • 連帯保証人の有無及びその財産状況(資力)
  • 賃料滞納金額と滞納解消の見通し
  • 賃料滞納以外の他の解除事由や非違行為が存在するか

 上記の事情を確認したうえで、あくまで明渡を求めるのか、分割払によって居住を認めるのか、その他解決方針を決定することになります。
 解決方針を決定して、見通しを立てることが弁護士相談においては何より重要です。

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投稿日時: (約1年4ヶ月前)
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